Posted by kan on 2011年6月17日
渋谷にあるオフィスサンサーラは、2年ほど前からお歳暮やお中元にネパリ・バザーロのギフトセットを連続して利用してくださっています。どんな会社が、どんな想いでギフトに選んでくださっているのか・・・代表取締役社長の大嶋賢洋さんにお話をお伺いしました。
●もともとネパールに関わりがあったそうですね。
20代の頃から各国を旅して、ネパールにもたくさんの知り合いがいます。中でも縁があるポカラのために何かをと思ってきました。でもお金や物をあげるだけではダメだ、仕事を作らなければ、とも考え、ポカラでロッジを経営し、その収益でフェアトレードを行うことを考え「ポカラプロジェクト」を立ち上げています。
●ネパリ・バザーロに出会ったきっかけは?
いったい何ができるのだろう・・・と思っていた時に、書店で見つけたのがベルダのカタログでした。それまで、アジア雑貨店で見ていたネパールの商品は、安価で粗悪なものでしたが、ネパリの商品は、現地の技術と素材を活かしながら、日本で認められる商品を作っていて、これはすごいと感動しました。現地の人がどんなに心を込めて作ったフェアトレード商品だといっても、デザイン、品質が悪ければ理念に賛同して買ってくれるだけで、マーケットは広がりません。「これだ!」と思いました。
●ネパールでの商品開発もなさっていますよね。
ホテル経営と並行して2009年から、現地の仕事づくりとしてネパリから紹介してもらったマヌシでフェルトのアニマルポーチを商品化しました。売り上げを現地に還元できる価格で売れるよう、パッケージにも手間をかけ、ネパールの手すきロクタ紙に自社でデザインしたプリントを施しました。新国立美術館のミュージアムショップなどで扱ってもらい、たくさんの方に買っていただきました。今年も新しいデザインをマヌシと企画しています。
ロッジ経営が軌道に乗れば、フェアトレードの販路を広げて行くことを考えていますが、全部日本側でやるのではなく、ネパールの生産者が自立できるよう、ポカラから発信していくことを心がけています。
●お歳暮やお中元にネパリのギフトセットを扱っていただいていますね。
株式会社なので、株主からは「どうして関連もないネパールで商品を作り、ロッジを建てようとするのか、理解ができない」という声が寄せられていました。自分の想いは言葉ではどうしても説明しきれないので、何かを感じてもらえれば、とネパリのギフトを贈ることにしました。すると、これまで有名店のお中元やお歳暮を贈り続けてもお礼など言われたことなどなかったのに、何人もから「よかった」「おいしかった」という電話が入りました。特に説明書きを入れたわけでもないのに、「オフィスサンサーラがネパールでやりたいのはこういうことなのだとわかった」と言ってもらえ、とても嬉しかったです。30名ほどの方々に、もう4回ほど贈っていますが、皆とても楽しみにしてくれています。ネパリのギフトからは、言葉での説明を越えたネパリの誠実な姿勢やネパールの人たちの想いが伝わるのです。たったひとつのギフトでも、すごい力を持っていると思います。
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株式会社オフィスサンサーラ
1988年設立。雑誌・書籍の企画・編集、WEB企画・制作・システム開発、映像・アニメ制作などを手がける一方、ネパールでの商品開発、リゾートロッジ建設を推進。http://www.sansara.co.jp/
Posted by kan on 2011年6月17日
毎号カタログでご報告をしている福祉プログラムに必要な支援金の大きな部分はサポート会員の方々からの会費が活用されています。4、5年の長期間に渡り、会員登録を継続して応援してくださっている方も多く、スタッフ一同励まされています。
昨年末、サポート会員の方54名にアンケートをお送りし、25名の方からお返事をいただきました。お忙しい中、丁寧にご記入いただき、ありがたく1通1通を拝見しました。お寄せいただいたお声の一部をご紹介させていただきます。
◆ネパリ・バザーロの活動を知ったきっかけは?
友人の紹介、フェアトレード店で見かけて、本屋でカタログを見つけて、新聞記事で、イベントで・・・と様々でした。学生時代に研究テーマだった、学園祭で出店をしたという方もいらっしゃいました。
◆活動の中で特に興味を持たれている部分は?
「生産者と密接なつながりを持っていること」「現地の文化や技法を活かし、かつマーケットに通用する質とデザインの商品を企画から携わっていること」「丁寧に手作りし、大切に販売していること」を評価していただいていました。そして、「わかりやすく魅力あるカタログを作り、現地の生活や生産者の声を消費者に詳しく伝えるよう努力している」というお声もありました。奨学金やセービングファンドなどの福祉プログラムにも多くの関心をいただいていました。
◆ネパリ・バザーロの活動について、もっと知りたいことは何ですか?
商品に関しては、「ひとつひとつの商品がどのように開発されているのか」「クッキーなどを作っている福祉作業所の皆さんの様子や声」「いろいろな壁に直面したときにどう乗り越えたのか」「村の様子や女性たちの立場」などがあげられていました。また、「福祉プログラムのさらなる詳細や巣立った若者たちのその後の様子が知りたい」という声に加えて、支援を受けている子どもたちの絵日記というアイディアや、ネパリの数年後の未来予想図という声もありました。
◆他にも支援活動をしていらっしゃいますか?
被災地へのカンパ、ユニセフなどへの寄付、絵本を送る運動、ネパールやバングラデシュの女の子へのスポンサーシップなど、社会活動をしている方が多く、障害者支援、フェアトレード店の経営、ソーシャルビジネスを仕事にしている方もいらっしゃいました。
◆スタッフへのメッセージ
「手書きのメッセージをありがとう」「力強いパワーをもらっています」「周りに伝えていくことで、ネパリとつながっていると感じています」「同世代のスタッフが誇りと信念を持って取り組む姿に刺激されます」「カタログや商品を手にすると、ネパールの方達と確実に繋がっていると実感できます」という嬉しいメッセージをいただきました。また「頑張りすぎないようにしてください」「健康を大切にし合ってください」という温かなお気遣いもいただきました。
【写真説明】奨学金を受けて楽しそうに勉強している紅茶農園の子どもたち
Posted by kan on 2011年6月17日
ウィメンズショップ パッチワーク
季節の野菜がゴロゴロ入った、マイルドなベジタブルカレー。子どもでも安心して食べられるように、チリは控えめで、玉ねぎやかぼちゃの甘みがふわっと広がります。ヘルシーな雑穀米のごはんと、サラダ、ウーロン茶がついたネパールカレープレートは、毎日限定15食で700円、お昼過ぎには売りきれてしまうことも多いそうです。
ネパールカレーを出すようになったのは、代表の長谷川輝美さんが、スパイスのパッキングを行っている「SHS」の代表シターラさんに会ったことがきっかけでした。2003年にネパリ・バザーロのセミナーで、直接話を聞く機会があり、感銘を受けました。「自分の収入でカレッジに通い、村の女の子たちが学校に行けるようにサポートしているという若い女性がいるという話を聞き、仕事を得たことで、生活が変わったということが実感できました。自分の店で販売することが、工房の女性たちに確かにつながっているという流れが頭の中にイメージできて、ストンと納得できました。実際にお会いして、お話を聞いたので、自分の言葉でお客様に伝えられることがうれしいです」
「レシピのポイントは?」とお尋ねすると、「ていねいに、心を込めて作ることでしょうか。スパイスを育てる農家や工房の皆さんのことを思うと、美味しくつくらないと!と思います」と長谷川さん。ネパールのスパイスは香り高いので、仕込みをしていると、お客様が香りに吸い寄せられるように来られるそうです。ネパールの方々とお客様の心をつなぐ、ネパールカレープレート。ぜひ美味しい“「出会い」を味わってみてください。
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代表:長谷川輝美
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67東京ウィメンズプラザ1F
Tel&Fax:03-5469-1612
Open:10:00~19:00(月~土)/10:00~17:00(日、祝日)
定休:毎月第3水曜日、年末・年始
patchwork@mtc.biglobe.ne.jp
http://www5b.biglobe.ne.jp/~patchwrk/
渋谷から徒歩10分ほどの「東京ウィメンズプラザ」1階にある、様々な国で作られた手作りの衣類、バッグやアクセサリー、環境にもからだにもやさしい食品や生活雑貨、女性問題に関わる書籍などが集まるオシャレな空間、「パッチワーク」。北京女性会議に参加したことがきっかけとなり、女性を中心とした共同出資で運営するお店として1998年にオープンしました。
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森のカフェレストラン 灯鳥(ぽとり)
オーナーの日登ゆうこさんは、以前別のカフェを経営していた時に、ネパリ・バザーロのスパイスに出会いました。「早速レシピ通りに作ってみました。あまりにもシンプルだったので、これだけで大丈夫かなと思っていたのですが、味見してみて、『これは旨い!!』と、びっくりしました。スパイスの質は、本当に大切だと思いました。特に香りがとても良く、フレッシュというか、いきいきしていて、生き物なんだなぁ・・・と思いました。このカレーは、スパイスと塩と油と野菜だけなんですよ、とお客様にもお伝えしています。お野菜やお豆のカレーを作っているので、油はたっぷり使った方が美味しくできます。玉ねぎも、トロトロになるまで炒めています」その言葉通り、地元山梨で採れた無農薬野菜とスパイスの相性が抜群で、シンプルですがコクがあって、とても美味しいカレーでした。以前、引きこもりになっていた男の子が、「このカレーを一口食べると、体が熱くなって、エネルギーを感じる!」と言って、わざわざ食べに来てくれたこともあったそうです。
また、以前たくさんのスパイスが必要だった時に、ネパールからの入荷が遅れて間に合わなくなってしまったことがありました。その時、ネパリ・バザーロのスパイスを扱っている知り合いのお店にお願いをして、スパイスを借りました。山梨は小さな地域なので、人と人がつながっています。スパイスを通して、またつながりの輪が広がったそうです。
大自然の中、地元で採れたこだわりの素材を使って、心を込めて作られた料理をゆったりと愉しめる場所、「森のカフェレストラン 灯鳥」。フレッシュなスパイスと野菜のハーモニーをお愉しみください。
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代表:日登ゆうこ
〒408-0315山梨県北杜市白州町白須8056 白州・尾白の森名水公園べるが内
Tel&Fax:0551-35-3146
Open:10:00~18:00/冬期は10:00~17:00
定休:水曜日(夏場は無休)cafepotori@mail.goo.ne.jp
http://potori.net/
大自然に囲まれた尾白の森。森林浴を愉しみながら、良質の源泉を有する温泉や、隠れ家的な宿泊館など、思いっきり楽しめて、リラックスできる「白州・尾白の森名水公園べるが」内に、「森のカフェレストラン 灯鳥」はあります。ゆらゆら揺れる、ことりの看板が目印です。地元で採れた有機野菜や顔の見える食材を使って、心を込めて作った料理を出しています。
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Posted by kan on 2011年6月17日
最近、マーケットでは安価な服がたくさん出回っています。東京の地価の高い一等地に店を建設しても、安い服で楽に経営ができるほど大量に売れるようです。一着の服を大切に長く着るより、その時その時の気分で選んではあまり着ないで捨ててしまう人が増えているのかもしれません。安く作るには素材を大量に仕入れて原価を下げられるだけ下げ、それを労働力の安い国の大規模な工場で短時間に作って売るのですが、まるで洪水のような商品の流れ方です。本当に洪水のようなものすごいパワーで環境も人と人のつながりも破壊してしまうのかもしれません。ネパリ・バザーロの服はそれらの服と比べると価格は少し高目です。しかし、環境になるべく負荷をかけないように、貴重な自然素材を無駄なく使い、自然染料や安全な化学染料で時間をかけて染め、一枚一枚裁断や縫製をし、丁寧に作り上げているので、単純比較はできません。そして、どのデザインも少量しか作りませんから、まるであなたのためだけに作られたような貴重な服です。あまりにも着心地がよく、他の服は着られないと言ってくださる方も多いほど好評です。
その服には他にもたくさんのこだわりがあります。それは共に生きる社会、人と人が支えあい、大切にしあう社会を目指す時、物づくりにも自然に表れるこだわりだと思っています。
仕事を創るためにも手間をかける
服づくりは裾野の広い産業で多くの人々に様々な種類の仕事を創ることができます。そして、家に居ながらできる手仕事もたくさんあります。仕事を得る機会の限られた女性たちや昔からの伝統的な手仕事を続けてきた職人さんたちにとってうれしい仕事です。それを更に大勢の人の手が加わるようにデザインし、仕事を増やしています。
それは、効率やコスト削減を優先したデザインと違い、着る私たちにとって、着ているだけでふんわりと包まれて大切にされているような、豊かで温かな気持ちになれる不思議なパワーを秘めた服になります。
最後まで売り切る
自然界からいただいた大切な素材を端切れまで大切に使い、心を込めて丁寧に作り、多くの人々の温かい手を経て届いた服たちですから、最後まで売り切りたいと努めています。デザインなどの企画からサンプル製作、オーダーへと続く中で、売れる数の見込みをたてますが、予想より人気があって直ぐに売り切れてしまうものもあれば、残ってしまうものもあります。残っても次のシーズンで完売することが多いのですが、離れがたいのか、まだ居残ってしまうものがあります。それをブラウスからワンピースに、ベストからチュニックにというようにリメイクしたり、新たな色に染め替えて再登場させます。そうやって長いもので3、4年かけ、全て離れていきます。長く居残った服たちに愛着が湧き、生まれ変わって行く先が決まると本当にうれしくなります。
リメイクしたり染め替えたりなど様々に手を尽くし、最後まで正規の価格で売れるように努力をし、セールはしないようにしています。限りある自然界の素材を使い、手間をかけて作り、作る人も 売る人も、使う人も皆が納得できるよう考えて価格を設定していますから、その価格を否定するとどこかにひずみが出ます。それは持続可能ではなくなることを意味します。リメイクや染め替えはとてもコストと手間がかかるので、セールをしたり、廃棄してしまう方が楽ですが、同じ失敗を何度も繰り返すことにつながりかねません。環境を考え、作り過ぎないことが大切だと思っています。
値打ちと値段
以前は身近に見ることができた物作りが遠く離れてしまい、お金さえ出せば何でも簡単に手に入るようになりました。最近では物づくりの大変さ、どれほど手がかかるか、大切なものか分からず「値打ち」を判断することができなくなり、買い物をする自分にとって都合のよい「値段」だけが基準になっているようです。値打ちのあるものを、長く大切に使えば自分にとっても地球にとっても、とても経済的ではないでしょうか。
これからも・・・
時代に流されず、これまで通り丁寧な仕事を続けていきたいと思っています。着る方の個性を爽やかにひきたて、長くご愛用いただけるデザインを心がけ、日々の生活を心豊かに過ごしていただくお手伝いができれば、生産者共々なによりうれしく思います。
物を大切にすることは、人を大切にすること…と信じて。(文:土屋春代)
Posted by kan on 2011年6月17日
暑い夏には欠かせない、さらっさらの履き心地。『ヘンプスリッパ』
さらさらの履き心地で、毎年リピーターも多い定番アイテム、ヘンプスリッパ。天然素材が素足に気持ち良く、一度履いたらやみつきになります。暑い夏に素足を入れると、すっと暑さが和らぐような感触です。履き込む程にやわらかくなり、やさしい履き心地になります。
ヘンプスリッパを作っているのは、変化織りや柿渋染め、服の縫製などで抜群の品質レベルを誇る「コットンクラフト」。衣類にバッグ、ブローチなど、様々な商品を作っていますが、代表のサラダさんは、ヘンプスリッパの注文をいつも心待ちにしています。コットンクラフトでは、様々な状況の女性たちが仕事をしています。教育を受ける機会に恵まれなかったり、厳しい環境で生活をしている女性たち。どんどん縫製技術がレベルアップし、高度な技術を必要とする洋服も縫えるようになる方もいれば、苦手な方もいます。いろいろなレベルの女性たちが仕事をできるように、サラダさんはいつも全体を見て調節しています。ヘンプスリッパは、素材の特長を活かした仕上がりで、手縫いで一つひとつ縫っていくので、多くの女性が仕事に携われるのです。
しかし、頭を悩ませるのは素材の調達です。ヘンプや底の革の手配は、いつも一苦労。ヘンプは遠い村から取り寄せているので、なかなか届きません。毎年収穫時期に合わせて大量に発注しています。それでも、ストライキが頻発するネパールでは、首都カトマンズに辿り着くまでには時間がかかります。夏が終わる頃には翌年分を発注し、寒い冬の間に作りためます。そして、暑い夏の到来を、今か、今かと待ちに待っているヘンプスリッパ。ぜひ一度、お試し頂ければ、天然素材の気持ち良さを実感して頂けることと思います。
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コットンクラフト
柿渋染めや変化織りの服などを作るコットンクラフトは、抜群の品質の高さを誇るとともに、
常に新しいことに積極的に取り組む頼もしい生産者です。
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【写真説明】
①ヘンプスリッパ
②コットンクラフトの代表サラダさん。働く人たちのことをいつも一番に考えて工房をマネージしています。
③コットンクラフトの工房で。皆楽しそうに仕事をしています。栽培から織りまで手がける村の方々から、素材を運ぶ人、コットンクラフトの女性たち、たくさんの人の手を経て、私たちの元に届きます。
④スリッパの裏には、革を縫い付けてすべりにくいように工夫しています。
Posted by kan on 2011年6月17日
町から遠く離れ、生活のとても厳しい農村部の収入向上と環境保護に役立つ非木材生産物として、スパイスは大切なアイテムです。植えてから収穫までの期間が数ヶ月と短いため、投資負担がわずかですみ、収穫まで数年を要する紅茶やコーヒーを栽培することができない厳しい状況にある農民にとって、スパイスの市場が見つかれば、かなりの生活改善が見込めます。しかし、対象となる地域や人々が増えるほどに、人々の生活も事情も様々で、状況把握にも時間がかかります。遠い外国の市場のことや必要となる条件など、農民の理解を得るのも大変です。まだまだ長い道のりの途中ではあるものの、皆様と共に旅してみたいと思います。(文:丑久保完二)
ネパールの有機農業の動き
私たちが扱うスパイスは、東は紅茶、西はコーヒーで培った有機農業がベースになっています。2009年、オーソドックス紅茶委員会(HIMCOOP NEPAL)が地球温暖化への影響を減らすために、炭酸ガス放出量削減に向けた動きに合わせて、人権と環境改善に対する行動規範を制定し、紅茶の更なる質の向上を目指すことを発表しました。コーヒーも、ネパールでは、そのすべてを有機栽培に切り替える方向で紅茶コーヒー委員会がイニシアティブを取ることになり、動きが活発になっています。
この流れは、実は、約18年に亘る東西ネパールでの私たちの活動と密接に関連しています。東はカンチャンジャンガ紅茶農園(KTE)、そこに於ける有機農業の実践と成功が、西はグルミ協同組合の有機コーヒーの実践と成功が現在の動きを導き支えているからです。市場が見つからず苦労したこと、農民との意識の大きなズレなど、ここに至るまでの道はとても険しく厳しいものでしたが、常に勇気づけ、進むべき方向のヒントを与えてくれたのは、ネパールと日本で共に考え、行動し、支えてくれた人々でした。
スパイスを流通にのせるための課題
スパイス栽培の取り組みは、これら紅茶、コーヒーの有機農法の動きを背景に実現してきました。しかし、紅茶、コーヒーとは違い、スパイスは種類も多く、また、収穫時のものと最終商品になったものとは形も質も大きく違うように、工程も複雑で手がかかります。それだけ商品化への道のりも困難なものでしたが、その実現を可能にしたのは、長い年月をかけて構築してきた有機農業を実践するノウハウと人間関係でした。
工程が複雑なため異なる組織間の協働を必要とすることも、作業を難しくしている理由の一つです。日本に住む私たちの感覚では、ビジネスのためにお互いに得意とする分野で契約し、協力し合えば良いと思います。しかし、ネパールでは民族やカーストの異なる組織間での協働はとても難しく、ネパリ・バザーロは仲介役、調整役として接着剤のような役割を果たしています。収穫、運搬、加工、出荷がうまく進まなければなりません。スパイスは、この加工までの部分を主に4つの団体の協働で行っていますが、今回は、特に、東ネパール地域に焦点を当ててご紹介します。
東側から購入しているスパイスは、コリアンダー、シナモン、ベイリーフ、カルダモン、ジンジャーで、ブラックペッパーは準備中です。7つのグループから集められたスパイスをKTEが管理しています。スパイスは、生活直結の必需品でもあり、経済的に脆くて社会情勢が悪いネパールでは、市場の値段が激しく上下しています。ネパリ・バザーロは市場価格には左右されず一定の価格で買取りを約束していますが、市場の値段が高騰すると他に売ってしまい、安くなって困った時だけ買って欲しいという生産者も多くいます。市場価格に振り回されず長期的な視野で共に協力して生活を改善していこうという趣旨を理解してもらうには時間がかかります。市場価格がどうであろうと、がんばって協力してくれる人もいますが、スパイスは種類が多いので、必要な量を集めるのは常に苦労が伴います。
コーヒーや紅茶のように植えてから収穫まで数年かかってしまう作物では取り組むことの難しい、より困窮している農家の収入向上のために始めたスパイス輸入です。ところが、コーヒーのように一つの種類で量が多ければ、安定した供給も可能ですが、私たちの現在の扱い量では、信頼関係もまだ強固ではないことを考えると、全てが計画通りに進むにはまだ数年はかかりそうです。しかし、市場は待ってくれず、品質は維持しなければならず、供給安定化のための施策として、1年間の必要量を推定し、東と西に種類と量を割り振って細かく調整をしてきたため、実際には供給面で問題はでてきませんでした。今後、市場が拡大していくことを考えると、協力してくれる農家を増やし安定供給ができるようにしたいと思っています。
このような状況下では対策として、ある程度の自力生産が必要と考え、スパイスを集める役割担当のKTEもジンジャー、ターメリック、カルダモン、チリとガーリックの栽培を少しずつ試み始めています。
スパイスは、KTE内に住居と畑を持つ、プスパさんをリーダーとする女性グループと農園の更に北側、ゴペタールという地域に住む日本人と良く似た顔立ちのリンブー族のグループが中心になっています。紅茶しかやらないとかたくなに言っていたKTEも変わってきました。
更に、KTEと協力して、良質のブラックペッパーの採れる東ネパール平野部のジャパで、農民たちを協同組合形式に組織化する取り組みも始めています。
ネパリ・バザーロの果たす役割
スパイスを遠隔の地で生産すると、そこから品質を変えずにネパールの首都カトマンズまで運ぶという課題が生まれます。水分を多く含むジンジャーやターメリックは、乾燥させる必要があります。スライスして乾燥させますが、人工的な放射線照射をしないで数ヶ月長期保存するために、特にジンジャーは虫が好むので対策を考えねばなりません。乾燥させた後は、風通しの良い場所で保管していますが、最近では、真空にして保管することも検討しています。生産地でストックをするのは、KTEが行い、カトマンズまで運ぶのもその責任範囲です。加工から商品パッキング、出荷は、スパイシー・ホーム・スパイシーズ(SHS)の仕事です。
皆がどれほど注意を払っていても稀に品質の問題が発生することがあります。その時、誰の責任でどう改善するかを話し合わねばなりません。ネパリ・バザーロを含め、KTEとSHSの3者で話し合います。KTEとSHSでは改善への取り組み方に微妙な違いがあります。設備投資をして改善しようとする積極姿勢のKTE。そのためKTEはシステムや技術がかなり向上してきています。しかし、投資してコストアップした分は最終的にネパリ・バザーロに回ってきます。生産者の基盤の脆弱さを考えると仕方のないことですが、価格に厳しい日本の市場で商品価格に転嫁することができず辛い状況です。
SHSで仕事をしている女性たちは日々の業務を真面目に手を抜かず、こつこつとよく働きます。彼女たちの仕事が村の現金収入に繋がること、国際協力の新しい形を担っているという自覚を持って働いているのです。18歳から10年近く働き、今、全体を束ねる役割を担っているマヤさんは、このスパイスの仕事に意義を感じていると言います。「ネパリ・バザーロを信じ、いつまでもついていきます」と言ってくれます。
スパイスは、今後、その広がりと共に更に多くの地域に貢献していくことになりそうです。それは、地元の意識ある人々と協力し、地域毎の問題改善に取り組む可能性をも秘めています。一部、その取り組みも始めています。ネパールの特産品スパイスは、これからも、一人ひとりの想いを乗せて、新しい出会いの旅に案内してくれることでしょう。
【写真説明】木にからまり自生するブラックペッパー/紅茶農園に自生するコーヒーの実の状態を調べるババニ・バスコタさん/ブラックペッパーを手に持つディリー・ラムカティワダさん/奨学生のママタさんとご自宅にて/ビンロウジュの幹に巻きつくブラックペッパーのつる
Posted by kan on 2011年6月17日
【南城市】~緑豊かで海の見えるくつろぎカフェ~
フェアトレードショップ&カフェ 風の里
「風の里」は、遠くに青い海が見える高台にあり、周りを緑に囲まれた、ゆったりとした空間のお店です。
カフェを担当する高江洲朝男さんは、地元の市場を回って、一番おいしい野菜を選び、肉を使わず、身体に優しい食事を用意しています。ココナッツミルク入り野菜カレーはネパリのベジタブルマサラを使い、野菜のうまみを引き出した満足のプレート。ネパリのコーヒーや紅茶、マサラティー、ジンジャーエールがメニューにあり、ネパリの6種類のクッキーを1個ずつ味見できる「お楽しみクッキー」の一皿も人気です。カフェで味わった後に、商品を購入して帰る方もたくさんいらっしゃいます。
高江洲あやのさんが担当するショップでは、食材のほかに、身体に心地よい衣類、安全な化粧品類などが並んでいて、食事の合間にのぞいてみるのも楽しい時間です。
軍事基地反対、ジュゴン保護活動など沖縄の地を守るために活動を続けてきたお二人が2003年に始めた「風の里」は、多くの人への情報発信の場にもなっています。基地問題だけでなく、失業率の悪化、大規模資本の流入などが沖縄の人々の生活を脅かし、忙しさと疲労を生み出している中で、「風の里」を訪れる人が少しでも気持ちの良い時間を過ごせるよう、ほっとできる空間を提供し、本当の意味での「良いもの」を一つだけでも手にすることで心が豊かになるようにと願っています。
訪れる方は、食事や商品を楽しむだけでなく、あやのさんや朝男さんとのお話、窓からの景色、流れる音楽に心を癒し、明日へのパワーをもらっているようです。
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店主:高江洲 あやの
〒901-1412 沖縄県南城市佐敷新里129 Tel&Fax:098-947-1237
Open:12:00~20:00(定休日:水、木曜)
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【那覇市】~自然と調和を図るライフスタイルを提案する玄米菜食カフェ~
オーガニックカフェ LOHASプロデュース NOAH
「NOAH」は、首里の住宅街にある、民家を改装したカフェです。2006年4月に上地正子さんが始めました。店内は小部屋に区切られ、畳の部屋や、おもちゃを置いたキッズルームもあるので、子ども連れの方も安心して、楽しい時間を過ごせます。
20代の頃身体を壊し、入退院を繰り返す中、真の健康とは何かを追求し、自然食、玄米菜食に行き着きました。食の改善を自ら実践し、食を正せば心・身体・魂のバランスも良くなることを経験し、得たものを通して人の役に経ちたいと強い想いを持っています。「日常に追われる中でバランスを崩すと正しいものを選ぶ力も崩れ、道に迷う。一人ひとりが健康でバランスのとれた良い状態になれば社会全体が良い方向に進め、環境のことも考えられる」と、食を入り口に自然と調和をはかる生き方を知るきっかけの場つくりにカフェを始めました。料理講座、食育、自然農法の野菜生産者を呼んでの講演、映画上映など、イベントも毎月開催しています。
ランチタイムには玄米菜食日替わりプレート、季節野菜の玄米カレーなどがデザート付きのセットで楽しめ、キッズプレートもあります。カフェタイムには、スープセット、玄米コロッケバーガーや、スウィーツとドリンクのセットなどが好評です。
フェアトレード商品は、オープンの頃から置きたいと思っていました。ネパリの商品は、手作り感、自然な風合いが気に入り、食品、雑貨を扱っています。メニューのカレーにもネパリのスパイスをミックスしています。持ち帰りができる軽食やスウィーツもあり、エネルギー溢れる地元の野菜も販売しています。庭で飼われているウサギとカメも、ご来店をお待ちしています。
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店主:上地 正子 〒903-0823 沖縄県那覇市首里大中町1-9 Tel&Fax:098-885-7217
Open:月~金11:30~18:00、土・日11:30~21:00(定休日:火曜)
HP:http://www.noahstyle.co.jp
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【那覇市】~うれしい商品が並ぶ小さな店~
エコショップえころん
モノレール首里駅から徒歩15分にある「エコショップえころん」。緑の葉に覆われた2階への階段をのぼると、小柄ながらパワーにあふれる店主の宇地原睦恵さんが迎えてくれます。
2002年、那覇市が情報発信源として地域の商品や環境に配慮した商品を扱うエコアンテナショップZENを国際通りに開店し、その切り盛りを市民団体アースの会に依頼しました。アースの会で、ゴミ減量の啓発活動や環境に優しい店を調査した「かいものガイドブック」の発行などを行っていた宇地原さんは、是非やってみたいと引き受けました。店を運営するうち、100円均一ショップへの疑問からフェアトレードに関心を持ち、調べ、商品も置くようになりました。
2年ほどでZENは他のグループが運営することになり、宇地原さんは現在の場所で「エコショップえころん」として店を再スタートさせました。環境に配慮したもの、沖縄県産の材を使ったスプーンや箸などの台所道具、有機野菜などを販売しています。野菜を栽培している農家を訪問するツアーも行っています。
ネパリのことは、5年前に那覇で春代さんの講演を聴き、「身の丈にあった活動」の話に共感し、扱うようになりました。
店内には畳敷きのスペースがあり、店を訪れた客同士の出会いや情報交換の場ともなっています。また、えころんではモノを売るだけでなく、伝統的な「沖縄そば作り」「ゆし豆腐作り」などのワークショップも行っています。ぜひ、えころんをのぞいてみてください。
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店主:宇地原 睦恵 〒903-0804 沖縄県那覇市首里石嶺2-85
Tel&Fax:098-885-5233 Open:11:00~20:00(定休日:日・月曜)
HP:http://www.ecoron.org/
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【宜野湾市】~ひと・くらし・いのちを見つめる~
ぎのわんセミナーハウス
沖縄キリスト教センター内の「沖縄ぎのわんセミナーハウス」は、研修室の貸し出しを行い、会議、研修、サークル活動など地域の方たちに利用されています。また、若者の育成、アジアへの理解に力を入れた「沖縄の歴史」「平和運動」「環境」「女性」など様々なジャンルのセミナーを開催し、教会と教会をつなぐセンター、教会と社会をつなぐセンターとしての役割を果たしてきました。
フロントでは、クッキー、スパイス、アイピロー、紅茶、コーヒー、雑貨などネパリの商品を販売しています。センターを利用する方だけでなく、購入のために立ち寄ってくれる方、ヘナなどを定期的に購入される方もいらっしゃるそうです。
ネパリが支援しているモーニング・スター・チルドレンズ・ホームのビシュヌさんを、沖縄キリスト教学院大学が2010年3月に招いた際には、このセンターに宿泊し、教会関係の方とも交流を持ち、有意義な時間を過ごしました。
館長の又吉京子さんは、「平和・人権・環境に対する取り組みを、これからも様々な活動を通して続けていきたい、特に、子どもたちが自分のアイデンティティーを確立できるよう沖縄のことを伝えていきたい」。また、「ネパリの商品を通して、諸課題に直面しながら作製に関わっているネパールの人々に思いをはせる機会の場になれば」と語っています。
沖縄やアジアの平和・人権・環境に関する情報に出会い、交流ができる場として、地域に開かれた「沖縄ぎのわんセミナーハウス」にぜひお立ち寄りください。
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館長代行:又吉 京子
〒901-2213沖縄県宜野湾市志真志4丁目24-7沖縄キリスト教センター内
Tel:098-898-4361 Fax:098-897-6963 Open:8:00~22:00(定休日:なし)
HP:http://w1.nirai.ne.jp/oki-gsh/
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【名護市】~森の中の静かなくつろぎの空間~
しゃし★くまーる
「しゃし★くまーる」は「月の息子」というインドの言葉。骨董品や雑貨などを販売し、おいしい喫茶の楽しめるお店です。やんばるのオーシッタイ(大湿帯)と呼ばれる森を深く入ったところにあります。
店主の常盤智子さんと知裕さんは、もともと静岡に暮らしていましたが、沖縄に住みたくて移住し、自分たちで家を建て、生活の糧にと1996年に店を開きました。
喫茶では、無農薬有機栽培のブラジルコーヒー、ダージリン紅茶、すももジュース、手作りケーキ、天然酵母の手作りピザなどが楽しめます。最近は、知裕さんが養蜂を始め、やんばる生まれの無添加非濃縮のはちみつも販売しています。手作りケーキにかけると格別のおいしさです。
ネパリの商品を扱うようになったきっかけは、訪れた客がフェアトレードのことを話しているのを耳にしたことでした。ネパリのことはそれ以前に雑誌で読んで興味を持っていたため、その客から連絡先を聞き、仕入れを申し込みました。沖縄に来て、藍染や手織りを身近に見たことで、服は工場でできるものではなく、大地から生まれるものだと実感したという智子さん。ネパリの手作りの商品をとても気に入ってくれています。
人が来てくれて、話を交わすのを楽しんでいる智子さん。「骨董を販売する喫茶店は静岡にいたころからの夢でしたが、静岡に居続けていたら実現しなかったし、ネパリにも出会わなかったでしょう。沖縄に来て、思っていたことが形になり、自分が何を望んでいたかを改めて実感しました」と優しい笑顔で語ります。
自然の中でのゆったりとした時間と語らいを楽しみに、ぜひ訪れてみてください。
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店主:常盤 智子
〒905-1141沖縄県名護市源河2523-5(通称 オーシッタイ)
TEL&FAX:0980-55-8360 Open:11:00~18:00(定休:月・火曜、11月末2週間、元旦)
HP:http://www.geocities.co.jp/Outdoors-Marine/6529/shasikmar
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Posted by kan on 2011年6月17日
2010年4月、「フェアトレードの店アチャ」の阿字地千佳子さんと、お店のサポーター3名をご案内し、生産者を訪問しました。帰国直後、お一人ずつが想いを込めた訪問記を書いて送ってくださいました。ほんの一部ではありますが、紹介させて頂きます。
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フェアトレードの店 アチャ
代表:阿字地 千佳子
〒530-0041大阪府大阪市北区天神橋3-2-20
Tel&Fax:06-6357-7739
Open:10:00~19:00(定休日:月曜)
HP:http://www.accha.jp/
Mail:info@accha.jp
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私の店はオープンから5年目を迎えます。「5周年には商品を作って下さる生産者訪問をしたい」と抱いていた夢が、しかもサポーターを含めて4人で実現できたことは最高の幸せです。そして、訪問の先々で涙するほど、言葉では表現できないたくさんの感動と元気をいただいたのです!
生産者団体を中心に15ヶ所ほどの訪問をしました。どの生産者団体や工房も、働くみなさんから、ほとばしる明るさを感じます。
私がさらに深く深く感動したのは、ウシャさんをはじめコットンクラフトのサラダさん、マヌシのパドマサナさん、SHSのシターラさん、ノットクラフトのシャムバダンさんなど、生産者団体を代表される女性のみなさんの生き方です。どなたもすごい能力と私財を、ネパールの女性の自立・地位向上に捧げておられます。ネパールの女性の自立・地位向上の歴史を、自らの手で作られていると言っても過言ではありません。そして、何よりもいち早くその代表のみなさんに手を差し伸べ、信頼し合い、共に苦労を担われているネパリ・バザーロ、土屋春代さんの生き方に大きな感動とエールを、です。「縫い子をつくらず(部分的な作業)、ここをやめた時にも自分の家で一着が縫え、仕事ができることを考えている。自立が基本だから」と、モノ作りに徹する春代さんのすばらしい考え方に、今日の日本が忘れかけようとしているモノ作りの原点を感じるのです。そしてこれこそ本当のフェアトレード、パートナー団体との在り方であると確信しました。
ネパールへの熱き思いを胸に、笑顔で働く仲間のみなさんを思い出し、私も店主としての役割を果たしていこうと決意を新たにしている日々です。
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マヌシで働くカンチさんのお宅を訪問しました。長い急坂をどんどん登ってようやく到着です。当然それが彼女の通勤経路。家の出入り口にヤギがいてびっくり。来る前に女性の大変さを小冊子で読み、とても悲しい気持ちになったのを思い出しました。輪をかけてカンチさんのお話で暗くなってしまいましたが、思いがけず「今は楽しい」という結論になり、ほっとしました。とても美味しいお食事でした。いまごろですが、「あんなに食べちゃって大丈夫だったかしら?」と心配になっています。彼女の明るい笑顔はとても素敵でした。
自分だけでは体験できない多くの機会を頂き、本当のフェア(パートナーシップ)トレードとは、と考える機会を頂いたこと、一つひとつの商品に人のつながりや心や笑顔があることを深く教えて頂いたことに、言葉では表せられないくらい感謝しています。(野中美穂子)
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子どもを産んでも安心して働ける職場!! このネパールにありました。マハグティでは隣に託児所があり、2ヶ月の子どもから預かってもらえます。マハグティでは、聴覚障害のある人も積極的に雇い、雇用側も自ら手話を学び、安心して働きやすい職場作りをしています。また、ネパールで女性が男性と一緒に働くことの困難さも聞きました。セクハラ、レイプ、その他の嫌がらせもたくさんあるそうです。家族からの協力や理解が得られないため、女性が外に出て働くことが難しく社会進出が進まないということも聞きました。
日本で商品(作品!)を手に取った時、作っていた皆の顔が思い出されて、自然と笑顔になっていきます。私も日本で頑張ろう! とパワーがあふれてきます。大好きな人に「大好き!」と言ってもらえたような、いい訪問になりました。(院田瞳)
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日本でぼけっと生きている私に衝撃的な言葉をくれたのは紙布を作っているヤングワオ代表のウシャさんです。「私たちにできないものはない、政治が邪魔をしなければ何だってできるのだ」と。ネパールのストライキも水不足も停電も全て政治がうまくいっていないからです。それでは、政治に支障のない私は「何にでもトライし、かつ成功させてみせる!」と断言することができるでしょうか。
ネパールの女たちの自立への「戦」、日本の消費者に向けてのマーケティング戦略の「戦」、そして何があっても成功させるというチャレンジへの「戦」…日本やネパールでの「戦」が合わさって柔らかくしなやかな商品が創られている、そんなネパリ・マジックを体感しました。そしてこれから転職する私は、自分なりにこのパワーを応用し、いつか、ウシャさんが断言したことを言えるような人間に成長していきたいと思います。(上村めぐみ)
Posted by kan on 2011年6月16日
ネパリ・バザーロが1992年から生活支援を続けている「モーニング・スター・チルドレンズ・ホーム」は、ネパール人のご夫婦ビシュヌさんとムナさんが、自宅に身寄りのない子どもたちを引き取り、家族同様に育てているホームです。出会ったころは7、8名の子どもたちでしたが、経済状況の厳しさが続く中、政情不安も重なり、多くの子どもたちが行き場を失い、ビシュヌさんのホームに身を寄せるようになり、常に50名以上の子どもたちが暮らしています。親を亡くした子、災害で家族離散してしまった子、マオイストに親を殺された子、親がいても養育を受けられず街へ出てきた子・・・ビシュヌさんとムナさんの温かい愛情と、子どもたち同士の交流で、明るい笑顔を取り戻し、元気に学校に通っています。
1990年に子どもたちを引き取るようになってから今までにホームを巣立っていった子は300人にもなります。ホームを離れてからも近況を伝えてくれるそうです。学校の教師になった子が約50名。外国に出稼ぎに行っている子、自分で事業を興した子もいます。8割近くの子が結婚しています。
ビシュヌさんたちの実の娘のジョティ・パラジュリさん(21)は、共に育ったスニタ・タマンさん(24)と一緒に2008年に看護学校を卒業し、病院でのトレーニングを受けています。
子どものころから下の子の面倒をよく見ていたサビトリ・シュレスタさん(28)は、2002年に結婚してホームの近くに住んでいます。2007年にネパリのスタッフ、ボランティアが大勢でホームを訪れた時には夫や子どもと一緒に駆けつけてくれました。
アルジュン・ダカルさん(32)とレベッカ・ダカルさん(27)の兄妹は、ネパリが支援を始めたころからホームにいたので、私たちにとっても思い入れの深い二人です。アルジュンさんは高校卒業後、ネパリの支援で大学に進み、卒業後はビシュヌさんの紹介で教会関係の出版の仕事に就きました。ホーム最年長のしっかり者で、ビシュヌさんの片腕となり頼りにされていましたが、本人の希望で部屋を借りて独立しました。2003年に結婚し、身寄りのない子を引き取り、ホームを始めました。今はNGOでマネジメントの仕事をしながら10人の子どもたちの面倒を夫婦で見ています。レベッカさんは卒業後ホテルの受付の職に就きましたが、2004年に結婚し、夫の働くアブダビへ移りました。二人の男の子の母親となり、最近カトマンズに一家で戻ってきました。
「ネパリ・バザーロの皆さんが20年近くにわたりモーニング・スター・チルドレンズ・ホームを支援してくださっていることを、とても幸せに思います。また、以前私に教育支援をしてくださったことも深く感謝します。私には親のない、貧しく、恵まれない子どもたちへの強い想いがあります。自分も同じ境遇だったので、彼らの気持ちがよくわかります。ホームの運営には多くの困難も伴いますが、ネパールのこうした子どもたちを助けたいという想いが変わることはありません」(アルジュン・ダカル 2010年5月)
Posted by kan on 2011年6月16日
シディマンさんの仕事部屋からは、
いつも心地よい音が響いています。
左手には彫刻刀を、右手には木槌代わりの木片を持ち
縁取りは力強く、『タタタン、タン』
慣れているラインは、『トントン、トントン』
仕上げの微調節はやさしく、『トトン、トトン』・・・
その間に、板はクルクル回り、彫る刃は次々替わります。
傘の骨や自転車のスポークから作った
カーブが急なもの、なだらかなもの、
太いもの、細いもの、
全てが微妙に違う25種類の刃から
ラインに合わせて
どれがちょうどいいか瞬時に判断し
少し彫っては、クルクルっと板を回して彫る角度を変え
溜まった木くずを『ふぅー』っとやさしく飛ばし
そしてまた刃を替えて彫り進めます。
一連の作業がリズムにのって繰り返され
少しずつ、少しずつ、スタンプが完成に近づきます。
一日に作れるのは5、6個くらいだそうです。
シディマンさんと出会って19年間。
このリズムの繰り返しが
色々なことを物語ってくれているような気がしました。
できあがったスタンプは、
木の温もりにシディマンさんの心が加わって
とても、とても温かく感じました。